GRI通信 Vol.2〜バレンタインギフトの動向について〜

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バレンタインギフトの動向について

昭和に生まれ流通関係に身を置いた方なら「売上が下がる二八の法則」という俗語を耳にされたことがあると思います。12月・1月と増えてしまった出費を是正しようとする2月と暑さにより購買意欲が落ちると共にお盆の影響が大きい8月。日本百貨店協会の2018年月別売上データでは2月が10位で8月が最下位と「二八の法則」は生きているようです。(勿論業種で捉えれば2月のチョコレート業界、8月のJR・航空業界はこの法則からは外れます。)

百貨店業界は1月・7月のクリアランスセール後「春夏物」「秋冬物」の衣料品プロパーが空白となる2月・8月は顧客の動員に苦労をしますが、バレンタインというイベントによって2月は幅広い年齢層の女性の「来店キッカケ」をつくってきたように思われます。日本でのバレンタインの起源は「神戸モロゾフ説」「メリーチョコレート&伊勢丹説」「森永製菓説」「ソニープラザ説」等所説存在しますが、日本版バレンタインデーを根付かせるために先人たちが創意工夫した表れであると思います。記念日文化研究所発表の2019年バレンタイン推計市場規模は前年比3%減の1260億円。2017年から約9%減、約120億円程市場規模が縮小したことになります。

「サロン・デュ・ショコラ」「アムール・デュ・ショコラ」等百貨店各社はストーリー性を重視し「環境・場所・期間」に工夫を加えておりますが、一息ついた感は否めず次の仕掛けを「誰がどのように」行うのかによって「二八の法則」は新たな時代・年号でも俗語として生き続けるかもしれません。
バレンタインの売上が低迷期に入った原因は何なのでしょうか?
前述の記念日文化研究所は
1.「義理チョコ」「友チョコ」「ファミチョコ」「感謝チョコ」「ご褒美チョコ」等とプレゼント対象を広げることで市場拡大してきたが、自分にまで広がった後の新たな市場になりうる「〇〇チョコ」が明確化されていないこと。
2.自分にしか興味のない人が増えたこと。
3.メディアの関心がバレンタインから「恵方巻」にシフトしメディア露出・アナウンスが減ったこと。
4.「義理チョコはパワハラのひとつだから・・・」と認識が広がりつつあること。(2018年2月1日ゴディバジャパン社長による「日本は義理チョコをやめよう」という全面広告が日本経済新聞に掲載された)
以上4点が影響しているのではないかと考察しています。また2月20日付の日経MJ14面のトレンド紙面に作家の林真理子さんが「流転する『欲望と消費』」について語っておられました。
そこでのキーワードは
「男と女から消える金」・・・女性もモノを贈る・贈られる行為が重たくなっている。
「平成、遊びの文化遠のく」・・・平成富裕層のお金の使い方は「遊びの文化を創っていない。」見せびらかさないスタイルに憧れる。
「節約=センスいい時代に」・・・背伸びをしない、お金を使わない=センスが良いという価値観が創られた。
とお話しされており、バレンタインが一息ついた現状もこのような意識の変化が影響しているのではないかと考えることができます。

新たな時代・年号に変わる2020年のバレンタインは新たな一歩が踏み出せるか・・・? 注目です!(S.I)

 

ギフト研究所ブログより「日本男児へ」

日本のバレンタインデーは、「女性が意中の男性にチョコレートを贈る日」として定着していますが、これは男性がチョコレートやスイーツを楽しめるようになっでほしいというチョコレート屋さんや百貨店の仕掛けでした。海外では独自の進化を遂げている「Japan’s Sweet Valentine’s」が面白いらしく、ニュース番組で取り上げられることもあるようです。

海外では贈り物は男性から女性にすることが主流です。バレンタインも例外ではなくお花やアクセサリー、シャンパンなどを愛や感謝が綴られたメッセージカードと共に、特別なシチュエーションで贈ります。儀礼ギフトや手土産などの習慣がない分、一つのギフトが持つ意味の大きさが表れます。

バレンタインに限らず、日本のギフトの購買行動の中心は女性です。お中元やお歳暮はご主人様の名前で贈るのがごく普通の事で、先方の奥様が受け取り、開けるのも当たり前の光景です。返礼はやはりご主人様の名前で送られますが、先方でも同じことが想像できます。子供の頃からそのような日常であれば、男性がギフトに疎くなるのも仕方ないと思います。ご家庭だけではなく、ビジネスでも手土産を用意するのは秘書さんや部下の女性です。

人まかせにすることが、儀礼ギフトの衰退に影響しているのかもしれません。男性が積極的に関われば、それだけでギフトの市場が活性化するような気がします。バレンタインはとても良い機会です。嬉しかったら、同じ気持ちを贈ることを考えてみてください。何気なく通り過ぎているお店に、足が止まるようになれば、確実に世界が広がっているということです。(M.O)