ギフトの知識:日本の文化「風呂敷」について

自粛規制も解かれ日も経ち、まだまだウィズコロナで気をつけなければいけませんが、ちょっとしたご挨拶やお盆などで手土産を持って出掛ける機会も増えてくるのではないでしょうか。そんな時、ギフトを“粋”に演出してくれるのが「風呂敷」。

今回は、この日本文化「風呂敷」についての知識をご紹介!

風呂敷というと、和装でお品を手にご挨拶な〜んて、誰しも“知的で、上品なオ・ト・ナ”を想像してしまいますよね。

また、7月から環境問題対策としてプラスチック製買い物袋の有料化がはじまり、再び“包む”日本の伝統文化「風呂敷」が注目されています。

「風呂敷」って、使わない時は小さくたたんでしまっておいて、使う時にいろんな大きさや形のものを見事に包むことが出来る超便利な万能アイテムです。これって“物事に対して、柔軟な対応に優れた日本人/日本文化を象徴しているかのようです。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回ギフトの知識では、いろんなモノを包んで持ち運べる四角い布「風呂敷」について一緒に学んでみましょう。

◆ 日本文化の精神を包む「風呂敷」

いま「風呂敷」が注目される要因に、前出の7月からはじまったプラスチック製袋の廃止もありますが、もともと日本人の心に宿る“モッタイナイ!”という精神が、何度でも使え、何でも包める「風呂敷」と共通する部分があるのではないでしょうか。

いまではこの日本語“モッタイナイ”は、地球環境保護のキーワードとして「mottainai」で世界に通じる言葉となっています。

世界的な環境重視のエコ時代において、外国の方からも「Furoshik」は「mottainai」という日本文化の新たな視点のひとつとして評価されています。日本人にとって嬉しいことであり、日本のギフト文化を知っていただく重要なポイントになるのではないでしょうか。

さて、次に「風呂敷」の歴史から・・・。

◆ 風呂敷の語源と由来は?

ズバリ!風呂敷はその名の通り、お風呂に敷かれた布が語源になります。では敷物が何故?!・・・それは室町時代(1336〜1573年)にさかのぼります。室町時代のお風呂は蒸し風呂のようなもので、蒸気を拡散させるために「むしろ」や「すのこ」「布」などを床に敷きつめていたものが起源になります。

そこから現在の風呂敷にあたるものへとなったのは、足利義満が大湯殿を建てた際、大名達が他の人の衣服と間違えないよう家紋入りの絹布に脱いだ衣類を包むための布を「平包(ひらづつみ)」と呼ばれ、これが「風呂敷」と「平包」の間に位置するものとして記録にあるそうです。

これが江戸時代には、湯をはった銭湯が誕生して衣類や入浴用具を四角い布に包むようになり、現在の風呂敷に最も近いものとして、風呂に敷く布のようなもので包むことから「風呂敷包み」や「風呂敷」と呼ばれるようになったそうです。そして銭湯が発展した江戸時代の元禄(1688〜1704年)頃から「平包」に変わり、様々なモノを包んで運ぶ「風呂敷」の呼称が一般に広まっていきました。(参考資料:語源由来辞典)

葛飾北斎 風呂敷は江戸時代の必需品(葛飾北斎 富嶽百景初編「宝永山出現 其二」1834年)

◆ 風呂敷の文様について

ちなみに、風呂敷と言えば、「唐草文様」の風呂敷を泥棒が背負っているってイメージがありませんか?(若い人には、わかんないかなぁ)
実はこの唐草文様は、四方八方に伸びた唐草(植物柄)は「永遠の繁栄」を意味する縁起いい“吉祥文様”なんですよ。婚礼やお祝い事の時などには、非常に重宝されたもので、昔はどこの家庭にも必ず一枚はあった風呂敷を代表する柄でした。

どこの家庭にもあったからこそ、 泥棒が盗んだものを家にある唐草文様の風呂敷で包んで持ち出したというイメージで描かれたので、このような印象がついてしまったのですね。
泥棒と縁起物(唐草文様)・・・変な組合せで笑ってしまいますね。

でも、いろいろある風呂敷の文様にも意味があり、TPOにあった柄をつかいましょう・・・と言っても個性も大事です!でも、意味合いを知っているのと、知らないで使っているのとでは使い方にも違いがでますよね。

【風呂敷の基本的な文様】※代表的なもの

鮫小紋(さめこもん):江戸時代にはお武家の裃(かみしも)に使われていた柄で、いまでもよく使われる柄。厄除け・魔除けの意味をもつといわれています。

 

あられ小紋:ランダムに並んだ点描で、天からパラパラと落ちてくる“あられ”をあらわし、略礼にも使える格のある柄です。

 

 

麻の葉小紋:麻にちなんで、成長を願う思いが込められた柄。また魔除けの意味もあります。おめでたいときに包んでお持ちしても“粋”ですね。

 

(しま):色々な種類があり、切れることのない永遠の生命をあらわしています。

 

 

矢絣(やがすり):この柄は矢羽根をモチーフにしたもので、時代劇の御殿女中のきものによくみられる柄で、最近では卒業式の袴(はかま)スタイルの着物柄にもみられます。一応、弓で射た矢は戻らないことから「出戻らない」やまっすぐに突き進むことから、縁起柄とされています。

唐草:つる草が切れることの無く、永遠に繋がる唐草文様はおめでたい時などには幅広く使える縁起柄になります。

 

 

七宝つなぎ:同じ大きさの輪を上下左右に規則正しくつなげた柄。文様が永遠につながっていくことから子孫繁栄、円満、調和、ご縁といった縁起の良い意味がります。

 

吉祥文様:鶴や末広がりの扇など、縁起の良い図柄をモチーフにした柄で、健康や幸せ、成長を祈る思いが込められています。

 

まだまだ数え切れないほどの柄がありますが、同じ柄でも色や文様の大小によっても印象は変わります。また最近ではモダンな柄も多く、贈る内容(慶事・弔事など)を意識して、モダンで自分らしい柄域を選んで使ってみるのもいいですね。

次は包み方と結び方。

◆ 何でも包める「風呂敷」の基本的な包み方と結び方

いろんなモノを包める風呂敷ですが、どうやって包めば良いのか?また、結び方はどうすればいいのか?・・・これって風呂敷を使うのにとても重要な事ですね。そこで基本的な包み方と結び方をご紹介。

<平包み> 

最も基本的な包み方で、その名のとおり結ばないで包む方法です。

この包み方は、すぐに贈り物をお渡しすることが出来ます。またご祝儀袋を包む袱紗(ふくさ)でも使えます。

平包みの包み方:

資料提供:風呂敷専門店「むす美」より

<真結びの結び方・解き方 / ひとつ結びの結び方>

このふたつは風呂敷を包むとき、絶対覚えておきたい基本となる結び方です。(風呂敷はこのふたつの結び方を覚えると完結!!)

資料提供:風呂敷専門店「むす美」より

“真結び”の結び目は本体と同方向(平行)に揃う美しい結び方です。解くときも結び目を反対側に引くだけで簡単に解くことができます。風呂敷包みでこの“真結び”を覚えておくと重宝します。

注意:“真結び”の結び目が縦になると「縦結び」で、結び目がゆるみやすく一旦きつく結べてしまうと、今度はほどきにくい結び方になってしまいます。(解けない団子結びですね)

もうひとつが風呂敷の角をクルッと廻し込んで結ぶ“ひとつ結び”(止め結び)です。端を結ぶだけじゃモノが包めないーっ!とおっしゃる方、そのとおりです。この“ひとつ結び”は包むものに合わせて、風呂敷の形を調整する時などに利用する結び方なのですよ。

<お使い包み>

お使い包みは結び目をつくる包み方の代表的な結び方になります。このとき、先の“真結び”で結びます。そうするとスマートに解けます。

お使い包みの包み方:

資料提供:風呂敷専門店「むす美」より

まだまだいろいろとモノを包むことがでる風呂敷ですが、今回結び方の資料をご提供いただきました風呂敷専門店「むす美」さんのHPでは、様々な風呂敷の使い方などもご紹介されていますので是非ご覧ください!!新たな風呂敷発見の参考になりますよ。

◆ 基本を知ったら“粋”に“おしゃれ”に、自由な発想で楽しむ!

最近残念な事に、あまり街では見かけなくなってしまった風呂敷。

日本古来からあるものをもう一度大切にしよう!という視点から、基本を知ったら自分なりに楽しみましょう。

例えば、 風呂敷をはじめて手に取る外国の方は「絵柄が美しい(キュート!カワイイ!等々)四角い布」というのが第一印象です。そうです!モノを包むという観念が無いのです。だから、手に取ると“スカーフ”感覚で、ネジって首に巻いたり、三角に折って頭にかぶったり、またデーブルクロスや額に入れて壁飾りにしたりと自由な発想で楽しまれています。これもまたヨシ!です。でも、外国の方に風呂敷のいろんな包み方を教えてあげると「Amazing!!」と・・・面白いですね。

私たちも贈り物のファッションやスタイルとして風呂敷を楽しむと共に、外国の方のようにいろんな楽しみ方で、風呂敷の世界を広げてみてはいかがでしょう。

 

今回、四角い布「風呂敷」について調べてみて、昔からある日本の“モノ(道具)”って、その語源や使い方に関わる全てのことに意味があり、その事を大切にする姿勢は日本人の美徳とも言えるのではないでしょうか。

そして、風呂敷の事をよく知ると、そこには日本人の「おくゆかしさ」や相手を「思いやる心」が込められていて、受けとる方は「気持ちよく受け取れる」といった“気持ちのつながり”となっているのだなぁと思いました。

さらに基本を知って時代と共に柔軟に変えていく・・・日本人って凄いなーぁと、今回の「風呂敷」をとらえてみて思った次第であります。(笑)“温故知新“、大事ですね。

では、次回をお楽しみに。

 

資料ご提供企業様:

伝統からモダンまでライフスタイルに合わせた風呂敷専門店

むす美様 URL. https://www.kyoto-musubi.com/

<むす美/京都店>

〒604-8111 京都市中京区三条通堺町東入桝屋町67

TEL:075-212-7222  FAX:075-212-7223

営業時間 11:00〜19:00

(定休日:無休 但し、年末年始・夏季特別休業あり)

<むす美/東京店>

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2丁目31-8

TEL:03-5414-5678  FAX:03-5414-6788

営業時間 11:00〜19:00 (定休日:水曜日)

※むす美様では、“名入れ” オーダーメイドもお願いできるので、ご自分のお名前や家紋などが入った風呂敷を一枚お持ちになると、あなたもステキな“ギフト上級者”ですよ。

「ふろしき」の明日をプロデュースする

山田繊維株式会社(むす美運営)

URL. http://www.ymds.co.jp/

〒604-0031
京都市中京区新町通二条南入ル
TEL075-256-0123(代表) FAX075-256-0256