ギフトの知識
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『敬老の日』

多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う「敬老の日」

その由来や歴史はどこから? また、海外では「敬老の日」はあるの?などなど・・・記念日ギフトを知ることで心が熱くなる!!

日本は、365日某らの記念日があります。このような国も珍しく、世界的からとらえても“ギフト大国”といえます。その中でバレンタインやクリスマスなど、海外から入ってきた記念日も多数ありますが、一般的な記念日の由来や歴史、また海外にも同じような記念日はあるの?あればその日はどのように過ごしているの?・・・その違いをシリーズで調べてみようと思います。

第一回は、今月の第四週目にあたる「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを目的に定められた国民の休日、9月21日(月)の「敬老の日」についてです。

この敬老の日は、2002年までは毎年9月15日としていましたが、2003年からのハッピーマンデー制度の導入によって、現行の“9月の第3月曜日”になりました。

この日は家族のおじいちゃんやおばあちゃん、身近な年長者を敬い、末永い健康を願い祝う日で、祖父母に贈り物や電話で声を聞いたりする人も多いでしょう。しかし、この“敬老の日”は日本だけのものではありません。その呼び方の違いはありますが、お隣の国 “韓国” や “中国”(広くは中華圏)、また “アメリカ” “イタリア” などでも同じように長きに渡り社会や国につくしてきた年長者(老人)に敬意を表し、長寿を祝う日があるのです。

まず、最初に知っておきたいこと・・・敬老の日のお祝いは「孫から祖父母に」が基本だということを知っておいてください。だから贈り物も孫からになりますから。

それでは歴史や由来から・・・

◆ もともとの「敬老の日」とは?

いまの “敬老の日”の元となるのが、昭和22年(1947年)に兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町)で「お年寄りを大切にし、お年寄りの知恵を生かした村作りをしよう」という今でいう村おこし的な考えのもと、55歳以上の人を対象に「敬老会」を開催したことが発端だそうです。ちょっとちょっと、当時は55歳から老人扱いですよ!今の時代だとコンプライアンス的に問題ですよ。(笑)

そして、その翌年開催された「敬老会」で、9月15日を「としよりの日」という村独自の祝日にしたそうです。この運動が村から全国的に広がり、昭和25年(1950年)には広島県が「としよりの日」を制定しました。なんとストレートな呼び方でしょうか。この「としよりの日」の名でお祝いされた方は、端から見て“完全に年寄りの仲間入り”なのですよ。(笑)

それで昭和39年(1964年)に、「としよりの日」よりも良い呼び方はないかということで「敬老の日」となったという訳です。←この “としより”という呼び方に気付くのに10年も掛かって、ちょっと遅すぎませんか?

そして昭和41年(1966年)に「国民の祝日法」が改正され「老人を敬愛し、長寿を祝う日」として国民の祝日となりました。

◆ 9月15日「敬老の日」の由来は?

2003年から9月の第3月曜日になってしまいましたが、もとは9月15日だった敬老の日。では、この9月15日と敬老の日の関係と由来はというと2つの説があります。

そのひとつは、聖徳太子が大阪に四天王寺を創建(593年)した飛鳥時代に溯る “聖徳太子説”です。この四天王寺に悲田院(ひでんいん)、敬田院(きょうでんいん)、施薬院(せやくいん)、療病院(りょうびょういん)という四箇院(しかいん)という寺院を作りました。その四箇院の中の非田院というのが、仏教の慈悲の思想に基づき、貧しい人や孤児を救うために作られた施設(今でいう社会福祉施設)で、その建立が9月15日であったことに敬老の日を由緒づけているという説です。

ふたつ目は “元正天皇説”です。717年(奈良時代)の9月に元正天皇(げんしょうてんのう)が、「万病を癒す薬の滝」といわれていた岐阜県の滝へ行幸し、この滝に“養老の滝”と命名します。さらに元号も“養老”と改め、全国の高齢者に下賜品※1を贈られたことがもとになる説です。ただ『続日本紀』にはその日付は9月20日とあり、15日ではないのですが・・・。また旧暦なので、ユリウス暦に換算すると10月28日、第4木曜日になります。しかし、前出の野間谷村の「敬老会」の開催にあたり、農閑期で気候も良い9月中旬と故事の言い伝えが重なり、9月15日となったとも考えられています。

いずれの説も確証はないそうです。ただ、昔からいつの時代もお年寄りを敬う心は変わらずに受け継がれているのということです。

※1下賜(かし):天皇など身分の高い人が身分の低い人に物を与えること

という訳で「敬老の日」は日本生まれの念日なのです!

それでは、海外にも「敬老の日」のように老人に敬意をあらわす習慣や祝日は無いのかというと、前出挙げた韓国や中国、アメリカ、イタリアなど以外にズバリではないですが同じような日があります。

 

◆ 海外各国の「敬老の日」は?

【 韓 国 】

お隣の韓国では、10月2日が「老人の日」という記念日があり、10月自体が「老人の月」として記念月間に指定されています。しかし、その存在は国民の間でもほとんど知られておらず、特にプレゼントをしたりお祝いしたりする習慣はありません。ただ、韓国には「仁」の思想が根付いているため、自分よりも目上の人を敬い尊重するのは当たり前としています。韓国で「老人の日」があまり浸透していないのも、日本以上に日頃から年長者を敬愛す文化が定着しているのが背景にあるからでしょうね。

【 中 国 】

中国では旧暦9月9日(2020年は10月25日)の「重陽節」(ちょうようせつ)が日本の「敬老の日」にあたります。この「重陽節」は台湾や香港でも五節句内のひとつで特別な祝日になります。この旧暦9月9日は陰陽思想に由来し、奇数の数字を「陽」、偶数の数字を「陰」と捉えます。(この陰陽説、ギフトの知識「日本独自のギフト文化 – Ⅲ 水引」の本数と同じ考え方です。)故に「陽」の最大値である「9」の気が重なり最も強くあらわれる日とされ、陽の気が強すぎるから「凶日」と考える人もいるそうです。その「凶日=負」を払うための大切な「重陽節」であるのです。しかし、最近では「陽」の最大値で「吉祥」と考える人が出てきて、お祝いする日でもあるとされています。(どこも同じで時代と共に変化していくのですね。)

因みに「重陽節」は“菊の節句”とも言われています。では中華圏の人たちは、この日に何をするかと言えば、まず 「山に登る、ピクニックに行く」「菊の酒(菊花酒)、菊花茶」を飲んで、「重陽ガオ」という餅菓子を食べ、家族や親戚で長寿の人を祝う。台湾では“馬拉糕”(マーラカオ)という蒸しパンのような菓子を食べます。

【 アメリカ 】

アメリカにも9月の第2日曜日に「National Grandparents’ Day(祖父母の日)」という日があります。この日は「年輩の人を敬う日」「孫が祖父母に対し感謝・尊敬の意を表す日」として日本と同じように年配者を敬う日が制定されていますが、残念ながらアメリカではあまり定着していないようです。

お祝いの方法は、孫が自分の祖父母にグリーティングカードやこの日の定番の花“Forget Me Not/わすれな草”をプレゼントするのが一般的なギフトスタイルになります

【 イタリア 】

イタリアには、2005年に制定された「祖父母の日」という日が10月2日にあります。同時にこの日はカトリック教会の守護天使の記念日でもあります。

この日は祖父母への感謝を表す日として制定されましたが、元々イタリアは休日などを祖父母と一緒に過ごす文化があるので、特別重視されてはいないようです。その中でもお祝いをする人は、祖父母の家や自宅に招いて一緒に食事をするぐらいで特に何かをプレゼントするといった慣習はないようです。

【 フランス 】

フランスも敬老の日のようなものはありません。ただ、母の日、父の日じゃないですが、3月の第一日曜日に孫たちが祖母のためにお祝いする「La fête des grands-mères/祖母の日」があります。そして、2008年に「祖母の日」があるのに「祖父の日」が無いということで、この年の10月の第一日曜日に「La fête des grands-pères/祖父の日」が制定されました。「祖父の日」は最近出来たので、祖父母別々に孫がお祝いするのですよ。

ちょっと面白いのが「祖母の日」で、この日のはじまりは1987年に「Grand’Mère(グラン・メール)」というコーヒーのブランドによって商業的な戦略で作られたものなのです。ただ、今ではカレンダーに載るほどポピュラーな日になっています。なんだか日本の“バレンタインデーにチョコを”的な発想イメージですね。

【 イギリス 】

ズバリ!イギリスには母の日、父の日はあれど、独自の敬老の日はなし!

その代わり、毎年10月1日の国連が定める「国際高齢者デー」に合わせて、この日が「高齢者の日」とされています。また日本の敬老の日のように老人を敬愛し、長寿を祝う日として100歳、105歳の誕生日に盛大にお祝いするという習慣もあります。それ以降は毎年お祝いするそうです。

※国際高齢者デー:これまでのお年寄りの社会や経済への貢献に感謝して、高齢であることに対するネガティブな態度や時代遅れの偏見を改めるように働きかける日。

【 ロシア 】

ロシアには「敬老の日」はありません。ただ高齢者に感謝する記念日がいくつかあるようで、そのひとつに2月23日の「祖国防衛軍の日」は父親と祖父に感謝する日で、3月8日は「国際婦人デー」で母親や祖母に感謝する日として制定されています。特に何かをするといったことはなく、一緒にいて話を聞くといった感じだそうです。それぞれの日の名前がロシアぽいイメージですね。

【 オーストラリア 】

調べてみると祝日ではないですが、高齢者に対する感謝の気持ちと敬意を表す「シルバー・ウィーク」というものがあるそうです。ただ開催日は各州ごとに異なり、この日はダンスやコンサートなど様々なイベントが行われます。日本と違うところは「高齢者が若者たちや地域周辺の人たちとのコミュニケーションを交わす日」といった内容になるそうです。

最後に・・・

【 ドイツ 】

ドイツには記念日として、お年寄りへ敬意を表す日はありません。なぜなら日頃から年長者には敬意を示すという習慣があるからだそうです。ドイツの方からするとこれって当たり前のことだそうです。敢えて言うならば、誕生日やクリスマスなどのように家族が集まる大切な日が多くあり、その時は、お年寄りは必ず特別なゲストとして迎えられるそうです。

スタイルは違っても、やはり年長者を敬う気持ちは世界中で一緒なのですね。

 

最後に「敬老の日」のギフトについてのポイント

敬老の日のお祝いをはじめる年齢は、特に定められていないため、いつからはじめたらいいのか悩んでしまう方もいらっしゃるかも知れません。

特に若々しくいるために日頃から努力している方には、「敬老の日」にお祝いされることで、逆に気分を害されてしまう方もいらっしゃいます。
昔は、還暦を迎えたら敬老の日のお祝いをすることもありましたが、最近の60歳は若い人が多いため、すこし早すぎる印象ですね。

そこで迷ったら・・・

・孫が生まれて「おじいちゃん」「おばあちゃん」になったお祝いに。

・定年退職した年から「ありがとうございます。お疲れ様でした。」のお祝いに。

・70歳や80歳といった節目の年齢をみてお祝いに。

といったタイミングを目安にお祝いをはじめてはいかかでしょう。

 

一般的に敬老の日のプレゼントは『孫から』になります。

そこで、プレゼントに「熨斗(のし)」をつける時は、たとえ親が用意した場合であっても、孫の名前で贈ることがポイントです。

 

長文ながら最後までご高覧いただきまして有難うございました。また次回をお楽しみに。