データから紐解くギフト市場のビジネス
NRF 全米小売業協会 : イースター2021調査

〜 昨年ロックダウン前の3月初めに行われた支出調査の217億ドルには届かず、216億ドル(2兆3328億円/108円換算)に 〜

日本ではまだまだ馴染みのないイエス・キリストの復活を祝う“イースター”ですが、欧米(キリスト教圏)ではクリスマスやバレンタイン、ハロウィンと並ぶ一大イベントなのです。そんなイースター、今年は4月4日(日)になります。

日本でイースターといえばカラフルな“イースター・エッグ”(タマゴ)と“イースター・バニー”(ウサギ)が頭にうかびますが、それ以外にはと聞かれると・・・ですね。

“タマゴ”は復活や誕生をあらわし、“ウサギ”は春の訪れや多産で繁栄の象徴をあらわしているので、イースターはこのふたつでいいのです!

 

それ以上に欧米では、このイースターの前後に休暇があり、この日は家族や大切な人と教会へいったり、イースターピクニックに出掛けたり、一緒にこの日を楽しく過ごす日になっています。また街ではこの日を祝うパレードやエッグハント(タマゴ型のチョコやキャンディーなどを探すゲーム)などが行われます。

これほどキリスト教にとって大切な日なのです。

そして、この日の一大イベントが子供を中心に多くの人がお菓子やスイーツをはじめ、様々なプレゼントをする日となっていて玩具店やSMなどではイースターセールも開催されます。

エッグハントでタマゴを探す女の子。

米国イースター市場調査

Ⅰ. 今年のイースターに消費者は過去最高の平均179.70ドルを費やす予定

《米国イースターの平均支出額推移》

出典:Prosper Insights&Analyticsが実施したNRFの2021年イースター支出調査。     * 2020年の調査は、COVID-19パンデミックの直前に実施されました。

全米小売業協会の調査によると、今年のイースターに消費者は平均179.70ドル(約19,400円)を支出する予定です。これは過去最高の金額になるそうです。

また調査したアメリカ人の79%が休暇を祝い・楽しみ、その消費支出の総額は216億ドル(2兆3328億円)になります。

この金額は、昨年の予測金額217億ドルにわずかに及びませんが、調査がパンデミック前の3月に行われたことを考えると米国消費の復活がうかがわれます。

NRFのCEO マシュー・シェイは、新しい景気刺激基金(景気刺激給付金支給)やワクチン接種の普及が消費者の信頼を高め、このイースターのような休日のイベントに向けて消費意識の勢いが増しているということです。

Ⅱ.イースターギフトは、食品・菓子が成長への最大の推進力に

米国消費者は前出の支出の内、ギフトに2020年の27.91ドルから増加し平均31.06ドル(約3,354円)を費やします。そして食品は同期の51.76ドルから増加して平均52.50ドル(約5,670円)、さらにキャンディーは同期23.30ドルから25.22ドル(約2,724円)を費やす予定です。

この米国のイースターギフトの支出金額は、日本の一般的なギフト支出が3,000円台がボリューム金額ですから同じような額だと言えます。やはりイースター人気の高さがうかがわれますね。(米国の人口は日本の約3倍で、且つ若年層の人口も多い)

Ⅲ.イースターの過ごし方は、ホリデーを楽しむための食事を作るが約6割に

イースターの消費者の行動は、「休日の食事を作る」が59%(昨年51%)、「家族や友人を直接訪問する」が43%(同24%)、「テレビを見る」が43%(同48%)、「イースターエッグハントを計画する」が31%(同24%)、「教会に直接行く」が28%(同15%)、「ウェブを閲覧する」が25%(同26%)になります。

しかし、誰もがイースターの日に活動をする訳で無く自宅から「バーチャル(リモート等)で家族や友人を訪ねる」が24%(同34%)や「バーチャルで教会を訪れる」が22%(同32%)となっています。

買い物に関しては、「オープンギフト」19%(同12%)、「オンラインショップ」17%(同17%)、「店で買い物」13%(同9%)となりました。※複数回答

昨年との違いは、「家族や友人を直接訪問する」や「教会に直接行く」「イースターエッグハントを計画する」といった外出や人との直接的なコミュニケーションへの欲求が増加しています。その反面、「バーチャルで家族や友人を訪ねる」や「バーチャルで教会を訪れる」が減少しています。ここで昨年はパンデミック前の調査であったことを思い出してください。やはり、まだ人は“バーチャル”よりも“リアル”な体験をする欲求が強いことがうかがわれます。

買い物に関しても、まだ外出に戸惑いもあるようですが「店で買い物」も増えています。

人の心理を考えれば、まだまだバーチャルにはないリアルな部分を活かしたビジネスチャンスが見えてくるのではないでしょうか。

Ⅳ.イースターの買い物は、ディスカウントストアがトップに

今年イースター関連の商品購入を考えている人の48%が「ディスカウントストア」で買い物を予定しておりトップになりました。次いで「デパートを訪れて購入」が35%、同じく「オンラインで購入」が35%、「専門店に行き買い物」が23%、同じく「中小のお店に行くか地元の店」が23%となりました。

パンデミック時の他のホリデーイベントと同様に、今年のオンラインショッピングの35%は、昨年の28%から過去の調査でも最も高い数値となっています。

またすべての人がイースターを祝う訳ではありませんが、イースターを祝わない人の半数以上(52%)は、これらのイベントサービスを利用する計画をしており、NRFでは昨年の平均支出17.64ドルから、今年は平均21.11ドルに増加すると予想しています。なかでも最も人気のあるアイテムはキャンディーで、回答者は年齢、性別、可処分所得に関係なく超越したアイテムであることが示されました。

今回の調査発表を顧みて、米国の人口や市場規模の違い、また宗教観強いイースターということもありますが、日本では中々根付かないイベントのひとつになっています。

私事でずいぶん昔の話(時期が思い出せない!!)になりますが、当時東京ディスニーランド(TDR)でイースターのイベントが開催されたのですが、気付かないうちに無くなった時期があるように憶えています。いまのイースターイベントは2回目のチャレンジなのです。当時それだけ日本市場にとって“イースター”の定着は難しいという印象がありました。

また当時プランニングに携わっていた私はクライアントから「イースターは“タマゴ”と“ウサギ”じゃビジネスにならない」とよく言われました。

しかし、時間を掛けて個々の企業(特に菓子メーカー)が、イースターを打ち出す展開もみられますが、他のイベントに比べるとまだまだといった様子。

昨年NYで開催されたイースターパレードbyエアーフランスのMY TRAVEL NOTEBOOKより

そこでひとつ、イベントプランナーの方へヒントを。

海外では “イースターハット”を被った華やかなパレードが開催されます。そうです仮装で盛り上がるハロウィンをヒントに華やかなパレードを展開してみてはいかがでしょうか。

イースターは、ハロウィン以上にカラフルで華やかな部分があるので “スイーツ祭り”的なイメージと結びつけて菓子やスイーツを「食べる・贈る(交換/プチギフトする)」という提案と共に開催してみてはいかかでしょう。

また、昨今体験型「謎解きゲーム」が人気となっていますから、街中を使った「エッグハント」の開催も楽しいですね。

そんなこんなで、日本のイースターは日本流の「非日常の体験」と「美味しいの体験」の日に変換してみてください。きっとそこには新しいビジネスや商材が創出されます。

最後にこのイースターの記事を執筆しながら、以前マーケターの大先生が「東京ディスニーランドで展開する新しいイベントには注目していてください。かならず日本で定着しますから」というお言葉を思い出しました。