マイボイスコム 調査
気になる現代消費者の百貨店への意識
『百貨店の利用に関する調査』結果発表

〜 人気は「デパ地下」利用者は約4割。時代は「衣・食・住」から「食・住・衣」へ変化 〜

お中元にお歳暮、親しい友人や家族への手土産など、ギフト選びに毎回お世話になっている“百貨店”です。

一時期はインバウンドを取り込み都心部は好調な様子を見せていましたが、今回のコロナ禍で大きな打撃を受けた業界でもあります。しかし、地方を含めた全体をとらえると、コロナ禍以前から縮小傾向にありました。

そんな百貨店について現代消費者はどうとらえているのか?

気になるアンケート調査が、マイボイスコム株式会社(東京都千代田区/伊藤忠グループ)から発表されましたのでご紹介。

そこから未来の百貨店が示すべき方向はみえてくるのか?

【調査概要】

調査対象:「MyVoice」のアンケートモニター
調査方法:インターネット調査(ネットリサーチ)
調査時期:2021年03月01日~03月05日

回答者数:10,052名

調査機関:マイボイスコム株式会社

〔調査対象内容〕

《TOPICS》

■百貨店に半年に1回以上行く人は約45%、月1回以上行く人は2割弱
■他の店舗ではなく百貨店を利用する場面は・・・

・「デパ地下を利用する時」が利用経験者の4割弱、

・「菓子折り、お土産、差し入れなどを購入する時」「プレゼントを購入する時」が各20%台、

・「飲食店・レストラン街を利用する時」「日本国内の地方物産展開催時」「お中元・お歳暮の品を購入する時」が各2割弱

◆ 百貨店の利用頻度 2018年度から利用率が大きく減少へ

百貨店に半年に1回以上行く人は約45%、月に1回以上行く人は2割弱です。過去調査と比べて利用率は減少傾向、2018年からは減少幅が大きくなっています。

◆直近1年間に利用した百貨店 タカシマヤが約2割に

百貨店の利用経験者のうち、直近1年間に利用した人は6割強です。これは2018年調査より大きく減少しています。

直近1年間に行った百貨店は(複数回答)、「タカシマヤ(高島屋)」が21.7%、「大丸」「三越」「伊勢丹」が各1割強となっています。

東北・中国・九州では「その他」の比率が高く、選択肢以外の百貨店の利用がうかがえます。

提示選択肢の中では、北海道は「大丸」、関東、中部は「タカシマヤ(高島屋)」、近畿は「阪急百貨店」が最も比率が高くなっています。

他の店ではなく、百貨店を利用する場面 デパ地下利用が約4割に

他の店舗ではなく、百貨店を利用する場面では(複数回答)、「デパ地下を利用する時」が利用経験者の38.9%、「菓子折り、お土産、差し入れなどを購入する時」「プレゼントを購入する時」が各20%台、「飲食店・レストラン街を利用する時」「日本国内の地方物産展開催時」「お中元・お歳暮の品を購入する時」が各2割弱となっています。
「菓子折り、お土産、差し入れなどを購入する時」「季節の行事の準備のため」は女性、「デパ地下を利用する時」は女性や高年代層、「お中元・お歳暮の品を購入する時」は60・70代で比率が高くなっています。

◆百貨店以外で購入するようになった商品 アパレル関連が上位に

百貨店以外で購入するようになった商品がある人は、百貨店利用経験者の5割弱です。その商品は(複数回答)、「紳士服」「婦人服」「ファッション雑貨・小物」が各10%台で上位にあがっています。

百貨店にして魅力を感じる点 やはり「高級感」が約4割

百貨店に対して魅力を感じる点は(複数回答)、「高級感がある」が41.8%、「商品の品質が良い」が29.0%、「他では手に入らない商品がある」「品揃えが豊富である」「センスの良い商品がある」「化粧室(トイレ)などの付帯設備が充実している」が各2割弱です。「化粧室などの付帯設備が充実している」「他では手に入らない商品がある」「商品の品質が良い」は、女性高年代層で比率が高くなっています。

百貨店にして不を感じる点 魅力に対して「価格が高い」が約6.5割

百貨店に対して不満を感じる点は(複数回答)、「価格が高い」が64.1%で、2位の「店員がわずらわしい」(13.1%)を大きく上回ります。「店員がわずらわしい」は、過去調査と比べて減少傾向です。利用頻度が高い層では、「欲しいブランドを扱っていない」の比率が高くなっています。

《回答者のコメント》 ※百貨店の利用の仕方、利用しない理由(全5,429件)

  • お茶やお菓子など優雅な気持ちになりたい時に欲しいものを買いに行く。スーパーやコンビニでは見かけない高級なものをじっくり選べるのが好き。忙しくてなかなか行けないが本当ならもっと通いたい。(男性24歳)
  • 見るだけなら価値を感じる。買うかどうかは、その時の気分による。なんとなく、見ながら歩くのが、百貨店の価値と思う。(男性37歳)
  • 高島屋に行くたびに靴下を一足買う。必ずデパ地下に行く。(男性41歳)
  • 抹茶、コーヒー豆は購入の店を決めている。杖のメンテ時にカフェで休憩するのが楽しみだが、現在は自粛中で残念だ。(男性70歳)
  • 日本各地のお菓子売り場が好きで、鹿児島のかるかんやあられなどを購入することに幸せを感じます。(女性21歳)
  • 自分へのご褒美にたまに買い物に行きます。お化粧品や時計など、近場だとそこにしかないものを見に行きます。(女性29歳)
  • 気軽に歩けない雰囲気を感じてしまい、じっくりと品物を見ることが出来ない。ゆっくりと品物を見られる展示の仕方をしてもらえると助かります。(女性43歳)
  • デパ地下の食品が魅力的。ほとんど買わないけれどおかずのヒントになったり盛り付けなど見て回る。(女性52歳)

ギフト研究所_________________________

調査結果をみて、消費者からとらえた“百貨店”の今がよくあらわれた調査結果ですね。少なからず最初から予想はできましたが・・・。

まず「百貨店の利用頻度」では、2018年から大幅な利用減少がみられますが、これはコロナ禍による影響があらわれた結果と言えるでしょう。ただ第一回調査の2006年の「ほとんど行かない」(18.8%)、「利用したことがない」(0.9%)の合計が19.7%で、今回2021年の調査では54.7%(同題)となり、この15年間で「ほとんど行かない」「利用したことがない」人が約2.8倍にまで広がっている。これほど百貨店の魅力が欠落したのかというより、革新がなかった業界と周囲環境の変化(発展)が今に至ったと考えられます。

また「百貨店を利用する場面」では、「デパ地下を利用する時」が約4割近くと最も高く、次いで「菓子折り、お土産、差し入れなどを購入する時」「プレゼントを購入する時」になります。コロナ禍の影響もありますが、すべての項目が2012年度と比較しても減少しています。

特にその減少の差が大きくあらわれているのが「バーゲンセールで安くなった時」(2012年との差11.6pt)、「お中元・お歳暮の品を購入するとき」(同10.8pt)となっており、人気の「日本国内の地方物産展開催時」(同7.4pt)も大きく後退しており、今後のMD戦略の見直しが必要であることがうかがわれます。

総合的にとらえると生活者の「衣・食・住」のライフスタイルの関心は、このコロナ禍で完全に「食・住・衣」に入れ替わってしまいました。

さて、「衣・食」が柱で来た百貨店、この調査結果が百貨店評価のすべてではないですが、ユーザーに合わせ、追いかけたことが今の百貨店の価値を低下させたのではないでしょうか。未来へつなげる百貨店とはブランドの集積や単発的な話題作りだけではなく、“ここに来ると私たちのいまの暮らしの半歩先が五感体験できる”ということが大切で、この体験が先では“新しい文化”になる。そう百貨店の価値や役割は、その地域の「食・住・衣」すべての文化創造ではないかと考えます。